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今月の主題 イオンチャネルの変化と心臓 症例
Brugada症候群
著者: 笠巻祐二1
所属機関: 1日本大学医学部第2内科
ページ範囲:P.648 - P.652
文献購入ページに移動最近,Brugada症候群の病因について,遺伝子異常がChenら2)により報告された.すなわち,Naチャネルの機能と関係するSCN5 Aの変異が認められ,この遺伝子変異が心電図に特徴的な変化をもたらすと報告した.もし,SCN5 Aの変異が本症候群に特異的なものであれば,将来,Brugada型心電図のみを示す場合のハイリスク群の鑑別に遺伝子診断が有用となる可能性もある.また,Brugada症候群は日本をはじめアジア地域において高い発生率を示すことが知られており,わが国からも多くの論文が発表されている.ここでは,"イオンチャネルの変化と心臓"にかかわる症例として意識消失発作と心室細動を認めた本症候群の1例を呈示し,心電図所見を中心に解説する.
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