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今月の主題 慢性閉塞性肺疾患 巻頭言
慢性閉塞性肺疾患の臨床―過去・現在・未来
著者: 福地義之助1
所属機関: 1順天堂大学医学部呼吸器内科
ページ範囲:P.703 - P.704
文献購入ページに移動 閉塞性換気機能障害を伴う呼吸器疾患の頻度は決して低いものではない.呼吸器臨床では重要な診療対象疾患である.そのなかで気管支喘息の病因:病態に関する研究は最近の10年間で活発に行われ,炎症の進展と制御の詳細な知見の集積に基づいた治療体系がガイドラインとして発表されている.これにより喘息治療の標準化が進み救急患者や入院症例は著しく減少した.わが国で注目されたびまん性汎呼吸細気管支炎(DPB)についても病因の解明に進歩があり,少量で長期のマクロライド投与の効果が確認された後には,その予後は飛躍的に改善した.
これとは対照的にと言ってよいほど,肺気腫と慢性気管支炎を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)についての診療上の進歩は遅々としたものであった.近年の高齢人口の爆発的増加は本症がこの年代に好発することを考慮するとCOPDの診断や治療に対する取り組み方に一層の拍車をかけなければならないことを,われわれに強く促すものである.幸いにこの数年間に肺気腫の病因,診断,治療の研究面で従来にないほどの進展があった.
これとは対照的にと言ってよいほど,肺気腫と慢性気管支炎を含む慢性閉塞性肺疾患(COPD)についての診療上の進歩は遅々としたものであった.近年の高齢人口の爆発的増加は本症がこの年代に好発することを考慮するとCOPDの診断や治療に対する取り組み方に一層の拍車をかけなければならないことを,われわれに強く促すものである.幸いにこの数年間に肺気腫の病因,診断,治療の研究面で従来にないほどの進展があった.
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