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今月の主題 慢性閉塞性肺疾患 話題
肺気腫の肺容量減少手術適応と効果
著者: 高山哲郎1 黒川良望1 貝羽義浩1 三井一浩1 里見進1
所属機関: 1東北大学大学院先進外科学分野
ページ範囲:P.753 - P.755
文献購入ページに移動肺気腫は進行性・非可逆性の疾患であり,薬物投与や呼吸リハビリ,酸素投与などの内科的治療には限界があった.肺容量減少手術(lung vol-ume reduction surgery;LVRS)は高度に気腫化した肺を部分的に切除することにより呼吸機能や呼吸困難感を改善することを目的としており,1959年にBrantiganら1)が最初に報告している.18%という高い死亡率のため術式として定着するには至らなかったが,その後の手術器具や麻酔の進歩などにより,1991年にWakabayashiら2)による胸腔鏡とレーザーを用いた術式,また1995年にはCooperら3)による胸骨縦切開の両側肺部分切除が報告され,その良好な治療成績から重症慢性肺気腫に対する術式として認知されるに至った.当科では1993年から胸腔鏡下肺容量減少手術(thoracoscopic LVRS;TLVRS)を開始し現在までに88症例に手術を行い,良好な結果が得られている.今回は当科における手術の適応およびその効果について概説する.
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