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文献概要
今月の主題 慢性閉塞性肺疾患 話題
包括的内科治療とステロイド投与
著者: 植木純1 高橋伸宜1 福地義之助1
所属機関: 1順天堂大学医学部呼吸器内科
ページ範囲:P.768 - P.770
文献購入ページに移動慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,multi-organ-system diseaseとされ1),包括的に対応する必要がある病態である.一方,呼吸困難感の軽減,HRQL (health related quality of life),ADL(activity of daily living)の改善,急性増悪の予防など治療,管理に際しても,種々のアプローチ法を組み合わせた包括的な治療の展開が必須となる2).学際的医療チームによる多次元の医療サービスを提供する包括的治療の重要性がわが国においても広く認識されているが,包括的プログラムを実践できる環境にある施設が決して多くないのが現状である.
COPDのステロイド療法に関しては,わが国および欧米で発表されたCOPDの診断と治療に関するガイドラインにおいて,一定の基準が示された3~6).ただし,研究データの裏付けが必ずしも十分でなく,今後さらなる検討が必要とされている.
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