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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻7号

2000年07月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編

早老症 1.ウェルナー症候群

著者: 松本武久1 杉本正信1

所属機関: 1エイジーン研究所

ページ範囲:P.777 - P.785

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はじめに
 ウェルナー症候群は遺伝的早期老化症候群(早老症)の代表的疾患であり,白内障や骨粗鬆症を始め,種々の老化関連症状を若年期から発現する常染色体劣性遺伝病である.ウェルナー症候群患者では多くの成人病が発症するが,高血圧や痴呆症はまれである.また出産から思春期までの成長発達期に何らかの異常を示す患者は少なく,思春期の後半における成長速度の遅延から異常が始まる.ウェルナー症候群患者の寿命は平均47歳で,死因は悪性腫瘍(甲状腺癌,悪性黒色腫,骨肉腫が多い)が第1位で,第2位は動脈硬化に基づく心筋梗塞や脳血管障害,第3位に肺炎を含む感染症が占めており,平均的な日本人の死因と変わらない.1904年のWernerによる最初の症例報告以来,これまでに全世界で約1,100例の症例が報告されており,そのうち日本人患者は800例以上を占めている.日本人患者の70%の両親は近親婚で,出身地は日本各地に散在している.1992年に42家系80人の日本人患者を解析することによりWRN遺伝子座が第8染色体短腕の8p11.2-12の部位にあることが明らかにされた1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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