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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻8号

2000年08月発行

文献概要

今月の主題 自動機器分析に要求される標準化 巻頭言

自動機器分析に要求される標準化

著者: 菅野剛史1

所属機関: 1浜松医科大学

ページ範囲:P.817 - P.818

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 臨床検査領域の自動化は,当初は臨床化学,臨床血液学,免疫化学領域など,それぞれの分野が,それぞれ独立して押し進められた.それぞれの領域で,それぞれの分析にマッチした自動分析装置がデザインされ,新たな工夫を凝らした装置が出現した.検査の自動化という時代は,この考え方でよかったのかもしれないが,検査室が自動化から,臨床検査のシステム化を要求したときに,それぞれの領域は統括化されることは必須のことであった.そして,検査システムは,さらに上位の医療情報システムとの強い連携が求められた.それぞれの分野の自動分析装置が,検査システムの中で相互に連携して作動することが要求されることになったのである.
 標準化は,この背景のもとに要求された.特に医療情報など上位システムとの交信,検査システムと下位の分析装置の交信など,情報交換の領域では最も密な,かつどのシステムも,どの装置ともという情報交換の道具と手順が要求された.それらは,検査の始まりに位置する検査計画の時点から,続く採血および採血管にも要求されたし,採血管の標識にも及ぶことになる.多くの分析装置が機械的になんらかの結合を要求されたのが搬送システムの導入であり,かつ分注システムと分析装置の結合であった.標準化なしにこれらの装置間,システム間の情報の交換,機械的な結合は困難な時期に突入するのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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