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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻8号

2000年08月発行

文献概要

今月の主題 自動機器分析に要求される標準化 話題

二次元コードの動向

著者: 谷重喜1

所属機関: 1浜松医科大学附属病院医療情報部

ページ範囲:P.888 - P.892

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1.はじめに
 バーコードシステムは,自動認識技術の開発過程で作り出された手法の1つである.このバーコードは,1970年代に実用化導入されて以来,流通分野を中心として積極的に利用される環境が整うと,バーコードの符号化法はさらに発展し,さまざまなバーコードシンボルが考案された.これに伴いバーコードシンボルを利用するための読み取り装置や作成装置も開発されることとなった.さらに利用される機会が増すに従い,バーコードに符号化された情報を読み取る速度や精度が向上した.この結果,有力な省力化法の手段として,広範な分野で各種のシステムに積極的に利用されてきた.医療分野においてもバーコードは,迅速な識別手段として利用され,カルテ管理,X線フイルム管理,検査検体管理,薬剤管理,医療材料管理など,多くの部門で利用され,その有用性が認識されている.
 従来から用いられているバーコードシステム(一次元コード)では,情報密度の制約のため,符号化した数字の組み合わせをバーコードシンボル化することにより,対象物の識別のみを行っており,添付されたバーコードシンボルに対象物の固有情報が含まれているわけではない.そのためバーコードは,データベース中にある情報にアクセスするためのキーとして利用され,そのキーと連携したデータベースに管理されている固有情報を得るための識別子となっているだけであった(図1―a).このような一次元コードを利用したバーコードシステムの制約を超えるために,情報の保持容量が多いバーコードの必要性が増してきた.もし,バーコードに多くの情報を記録することが可能となれば,実際の物と情報を一体化させた自立型のシステムも可能である(図1―b).そして,対象物に識別子としての役割だけでなく固有情報も付与することが可能な高密度大容量のバーコードシステム(二次元コード)が開発されてきた(図2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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