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シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編
肥満にかかわる遺伝子異常
著者: 新谷光世1 小川佳宏1 中尾一和1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科臨床病態医科学第2内科
ページ範囲:P.901 - P.906
文献購入ページに移動肥満は糖尿病,高血圧症,高脂血症などの生活習慣病の主要な危険因子の1つとして重要である.肥満にかかわる遺伝子を解析することで,肥満の発症機構を明らかにするのみならず,新しい治療薬の開発や遺伝子型に基づくより有効な治療や生活指導の実現が可能になる.しかし,肥満は遺伝素因と環境因子の複雑な相互作用により発症する多因子疾患であり,分子レベルのアプローチが困難であった.1994年末に,遺伝性肥満ob/obマウスの原因遺伝子として肥満遺伝子産物(レプチン)がクローニングされて以来1),単一遺伝子変異により発症する遺伝性肥満モデル動物の原因遺伝子が相次いで同定され,肥満研究は新しい展開を迎えようとしている.
本稿では,これまでに明らかにされた肥満の分子メカニズムとそれにかかわる遺伝子異常について概説する.
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