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文献概要
特集 超音波検査の技術と臨床 Ⅰ.基礎 2.新しい手法
2)サブハーモニックス
著者: 椎名毅1
所属機関: 1筑波大学電子・情報工学系
ページ範囲:P.1205 - P.1207
文献購入ページに移動サブハーモニックスとは
マイクロバブルによる造影剤を用いたコントラストエコー法は,血流からのエコー信号の増強による血流域の染影という当初の基本的な使い方から,近年では気泡に特有の非線形な散乱特性を利用したハーモニックイメージング法が普及してきた.組織の反射(後方散乱)係数が線形,すなわち入射波の音圧によらず一定と近似できるのに対し,気泡の散乱係数は入射音圧に依存する強い非線形性を持つため,そのエコーに高調波を含む.この性質を利用し,エコー信号からフィルタ等で高調波成分のみを抽出して画像化したものがハーモニックイメージングであり,組織像の輝度が抑えられるため組織対血流のコントラストが高まり,臓器内血流の視認性の向上をはかることができる.
この場合の高調波は,送信周波数の整数倍のものを指すが,通常は最も低周波でレベルが大きい第2高調波を利用しているので,セカンドハーモニックイメージングと称することもある.しかし,より細かく見ると非線形性のためエコーに現れる成分は,この整数倍のもののほかにも図1に示すように様々なものが含まれる.すなわち,送信パルスの中心周波数f0で考えると,通常の整数倍(2f0,3f0…)の高調波のほかに,非整数倍でf0より大きい(3/2f0,5/2f0…)や,f0より小さい(1/2f0,1/3f0…)も存在し,それぞれultraharmonicsおよびsubharmonicsと称される.
マイクロバブルによる造影剤を用いたコントラストエコー法は,血流からのエコー信号の増強による血流域の染影という当初の基本的な使い方から,近年では気泡に特有の非線形な散乱特性を利用したハーモニックイメージング法が普及してきた.組織の反射(後方散乱)係数が線形,すなわち入射波の音圧によらず一定と近似できるのに対し,気泡の散乱係数は入射音圧に依存する強い非線形性を持つため,そのエコーに高調波を含む.この性質を利用し,エコー信号からフィルタ等で高調波成分のみを抽出して画像化したものがハーモニックイメージングであり,組織像の輝度が抑えられるため組織対血流のコントラストが高まり,臓器内血流の視認性の向上をはかることができる.
この場合の高調波は,送信周波数の整数倍のものを指すが,通常は最も低周波でレベルが大きい第2高調波を利用しているので,セカンドハーモニックイメージングと称することもある.しかし,より細かく見ると非線形性のためエコーに現れる成分は,この整数倍のもののほかにも図1に示すように様々なものが含まれる.すなわち,送信パルスの中心周波数f0で考えると,通常の整数倍(2f0,3f0…)の高調波のほかに,非整数倍でf0より大きい(3/2f0,5/2f0…)や,f0より小さい(1/2f0,1/3f0…)も存在し,それぞれultraharmonicsおよびsubharmonicsと称される.
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