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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 超音波検査の技術と臨床 Ⅰ.基礎 2.新しい手法

4)フラッシュエコーの原理と特徴

著者: 神山直久1

所属機関: 1株式会社東芝医用システム社医用機器・システム開発センター

ページ範囲:P.1215 - P.1218

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フラッシュエコーとは?
 「フラッシュ(Flash)」という言葉には,「閃光」や「(一瞬の)きらめき」という意味があり,直感的にはカメラのストロボを発光させたときの様子が想像できるであろう.近年,超音波造影剤を用いた造影エコー検査が普及しつつあるが,造影剤投与下の超音波画像に,このフラッシュによく似た現象が観察されるため,この現象は「フラッシュエコー*1)」と呼ばれている1).フラッシュエコー現象が起こる最も大きな理由は,超音波造影剤の主成分であるマイクロバブル*2)の「壊れやすさ」によるものである.超音波診断装置から送信される超音波パルスは,粗密波として媒体(生体組織)を振動させながら進んでいく*3).パルスが造影剤マイクロバブルに達すると,同じようにバブルを振動させ,このときの衝撃でバブルは壊れてしまうわけである.ここで,フラッシュエコー現象はカメラのストロボと大きく異なる点に気づくであろう.カメラのストロボはそれ自体が発光源なので,充電さえ素早く行えれば「連続フラッシュ」が可能である.一方,フラッシュエコーはエコー源(バブル)自体が壊れてしまうわけであるから,超音波パルスを連続照射しても「連続フラッシュ」はできない.観察領域に再びバブルが充満するまでフラッシュを待たなくてはならないわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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