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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 超音波検査の技術と臨床 Ⅲ.循環器 2.心機能計測

3) TEI indexによる総合的心機能評価

著者: 鄭忠和1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1339 - P.1345

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はじめに
 心不全の心機能はダイナミックに変動するので,簡便に反復して検査できる心エコー・ドプラ法は心機能評価に最も有用な方法である.この方法は医療・経済の側面からみても心疾患の管理・治療上欠かせない検査法である.収縮と拡張を反復する心ポンプ機能の把握には,心室の収縮能および拡張能を定量的に評価するとともに(前章を参照),心臓のポンプ機能を総合的に捉えることも必要である.なぜなら心不全例の多くは収縮不全と拡張不全を合併しているからである.また,一般に心不全の診断では左心機能の評価に重点が置かれ,右心機能の評価は不十分である.しかし左心不全に右心不全の合併例は多く,両心不全例の予後は左心不全単独例よりも悪い.したがって心不全の総合的評価には,収縮能と拡張能を連合させた心ポンプ機能を左・右両心室で総合的に評価することが重要である.
 心機能指標が実用的である条件として,まず測定が簡便で,非観血的であること,再現性が高いこと,心拍数や血圧の影響を受けにくいこと,心室の形態変化に左右されないこと,左室のみならず右室の重症度評価も可能であること,加療による効果判定および長期予後の推定ができること,胎児から高齢者まで幅広く誰にでも応用できること,医療効率がよいことなどが含まれる.これらの条件を満たす心機能指標はこれまで確立されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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