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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 超音波検査の技術と臨床 コラム

ドプラ法による血流速度,量を計測するときの注意点

著者: 重田浩一朗1 谷口信行1 伊東紘一1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.1491 - P.1491

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 パルスドプラで描出された血流は,血流方向だけではなくその流速や流れるパターンを表示できる.これはスペクトル表示(またはfast Fourier trans-form表示)とも呼ばれるが,流速は血管の狭窄の有無,そのパターンではRI (resistive index),PI(pulsatility index)などの測定をすることにより血管抵抗の程度などがわかる.なお,パルスドプラ法はサンプルボリュームで特定した場所の血流速を測定できるが,通常約2m/secの流速を超えると測定できないため,それ以上の流速測定には連続波ドプラ法が適している.
 流速を正確に計測するためには,多少の注意が必要である.まず計測したい血管を明瞭に描出しカラードプラで表示する.そして図1のようにサンプルボリュームを設定し血流方向に対して角度補正を行うが,血流速度は血流方向に対するドプラ入射角をθ,流速をv,ドプラ偏移をfd,送信周波数をf,音速をcとするとv=fd×c/2 f×cosθの式で示される.この入射角度の設定が最も重要で,0度なら探触子面に垂直に向かってくる血流を拾うこととなり,ほぼ正確な計測ができる.入射角による補正は当然この角度が小さいほど誤差が少なく,60度を超えると急激に大きくなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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