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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 超音波検査の技術と臨床 コラム

断層像で径を計測するときの注意点

著者: 重田浩一朗1 谷口信行1 伊東紘一1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.1492 - P.1492

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 超音波での距離計測には,まず超音波の特性としての分解能に留意しなければならない.分解能には超音波が伝播する(距離・深さ)方向(距離分解能)とそれに直交する(方位・横)方向(方位分解能)があるが,前者のほうが高い分解能を有する(図1).距離分解能は送信波のパルス幅(パルス持続時間)に依存し,パルス幅が狭く,また中心周波数が高いほど距離分解能は高いが,減衰の影響を受けるため深部では浅部に比べると正確な計測ができない.3.5MHの中心周波数ではパルス幅が約0.4~0.5mm,10 MHでは0.1~0.2mmほどであることを考えると,それ未満は正確な計測はできない.また生体内の超音波の伝播速度を1,530m/secとして距離を表示しているが,伝播速度の違いにより正確な値を評価できない場合があることにも注意が必要である.例えば,脂肪組織内(約1,400m/sec)では画像上実際の距離より約10%大きく表示される.
 一方,臨床的な点についてみると,総胆管や主膵管での計測では,図2のようにある程度の厚さをもった壁のどの部位からどの部位までを計測するかということに注意を払う必要がある.その径を測定する場合は,図2のように管壁エコーの体表側から体表側までの計測を行うことになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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