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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻11号

2001年10月発行

文献概要

特集 超音波検査の技術と臨床 コラム

Integrated Backscatter

著者: 増山理1

所属機関: 1大阪大学大学院病態情報内科学

ページ範囲:P.1494 - P.1494

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 心筋から反射してくる超音波RF信号のパワーがintegrated backscatter (IB)である.現在ではIB値のイメージをリアルタイムに描出できる.このイメージにおいてIB値の大きいところは明るく,小さいところは暗く描出される.このイメージは一見,従来の心エコー図のイメージと同じように見える.しかし,境界をより明瞭に描出する目的の画像処理はしていないので,通常のエコー図に比べ境界は不明瞭である.このイメージでは,心内膜面よりも構造物の輝度に重要な情報が含まれているのである.梗塞心筋や心筋症心筋では線維化が進みコラーゲンを多く含んでいることを反映して,心エコー図上の輝度が正常心筋に比べ高い.このような部位のIB値は大きいが,心筋IB値の絶対値は実際のところ超音波装置のゲインコントロールや胸壁・肺による減衰を受けるために,個人間・患者間の比較には用いられない.心筋IB値は拡張終期に高く,収縮終期に低く,1心拍内で変動し,この現象はIBイメージにおいて輝度の周期的変動として観察しうる(図1).IB値の1心拍内の変動量は,超音波装置のゲインコントロールや胸壁による超音波の減衰の影響をほとんど受けないので,経胸壁アプローチにて非侵襲的に求めうる.ヒト正常心筋におけるIB値の1心拍内の変動量は約4~7dB程度である.
 正常心筋で見られるIB値の1心拍内の変動は,約5~10分の虚血により急激に減少・消失する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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