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文献詳細

雑誌文献

臨床検査45巻3号

2001年03月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・3

妊娠成立の免疫機能

著者: 藤井知行1 武谷雄二1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.307 - P.312

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同種移植片としての胎児
 胎児と胎盤の胎児側成分である絨毛細胞はその組織適合性抗原を半分父親から受け継いでおり,免疫学的に父親の性質を有している.したがって,胎児は,母体からみると半同種移植片ということになる.妊娠は,受精卵が子宮内膜の中に入り込んで着床し,胎盤を形成して母体との物質交換系を確立することで成立する.免疫学的にはこの現象は胎児が子宮の中に移植されている状態とみなすことができ,母体にとって異物である胎児は,本来は母体免疫系から拒絶されるべき運命にあるということになる.しかし,実際は拒絶を免れ,母体内で約9か月間発育する.この現象は従来の移植免疫学では説明が困難で,何らかの特殊な免疫機構の存在が考えられる.この特殊な免疫機構の仕組みを最初に唱えたのがMedawarである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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