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今月の主題 高齢化 総説
臨床検査値の加齢変化
著者: 西田敏信1
所属機関: 1徳島大学医療技術短期大学部衛生技術学科
ページ範囲:P.353 - P.358
文献購入ページに移動 性,年齢別に計算した基準範囲を基にし,臨床検査数十項目の加齢変化について記述した.上昇,低下あるいはこれらを組み合わせた変化など男女間の差異を含め,加齢変化は多種多様であった.女性では,月経を繰り返す期間とそれが終了した期間との移行時期である更年期に,女性特有の加齢変化が認められた.また,高齢者の基準範囲は個人差が大きいこと,および基準範囲計算法で削除される異常者の標本が多くなり,疾病を内在する高齢者ではここに示した加齢変化がさらに増幅(言い換えるならば加齢の速度が速くなる)されることが考えられる.臨床検査値を有効に利用するためには,基準範囲だけでなく,ここに示した加齢変化図を理解することが重要である.
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