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今月の主題 テーラーメイド医療と臨床検査 総説
テーラーメイド医療と臨床検査
著者: 登勉1
所属機関: 1三重大学医学部臨床検査医学講座
ページ範囲:P.21 - P.25
文献購入ページに移動 テーラーメイド医療のための臨床検査は,遺伝子解析技術を駆使した遺伝子型の判定が中心になると予想される.これらの解析技術の開発は目覚ましい勢いで進められているが,臨床検査への応用という点では,多くの課題が残されている.臨床検査として保険収載されている遺伝子関連検査のほとんどは微生物遺伝子検査であり,ヒトゲノムを対象とした検査は1つである.臨床現場では,保険収載されていない多数のヒトゲノム関連遺伝子検査が実施されているが,標準化された検査法による精度管理がされていない.ヒトゲノムは一生変化しないので,これを検査することは生涯に一度切りである.したがって,検査項目の拡大の前に,標準化や精度管理に関する規約を定めることが重要であり,遺伝子検査の社会的,倫理的影響も考慮した法的整備が求められる.
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