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肺炎クラミジア感染と抗高脂血症剤の効果
著者: 林純12 澤山泰典2
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院内科学講座感染環境医学分野 2九州大学医学部附属病院総合診療部
ページ範囲:P.101 - P.105
文献購入ページに移動冠動脈疾患,すなわち,狭心症や心筋梗塞の原因は,冠動脈の粥状硬化による血管内腔の狭小化や粥状硬化巣にできる血栓であると考えられている.粥状硬化は血管の内膜にコレステロールや細胞外基質が蓄積する病変で,その原因として,高脂血症,糖尿病,高血圧症,喫煙などの危険因子の関与が知られている.しかし,近年これらの危険因子のみでは,必ずしも心血管イベントの発症を説明できないことが明らかとなり,粥状動脈硬化の成立には炎症が関与するとされるRoss1)の傷害反応仮説が一般に受け入れられるようになった.
炎症を引き起こす新たな危険因子としては肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae;C.Pn)感染が,最近,最も注目されている.C.Pnは1989年に確立された第3のChlamydia種で,ヒトを宿主として伝搬する呼吸器感染症の起因菌であり,内皮細胞やマクロファージなどを宿主として細胞内にて増殖するグラム陰性桿菌である.
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