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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻11号

2002年10月発行

文献概要

特集 造血器腫瘍 Ⅱ 造血器腫瘍の病態と分類

8.多発性骨髄腫と関連疾患

著者: 服部豊1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部血液感染リウマチ内科

ページ範囲:P.1241 - P.1245

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疾患の分類
 多発性骨髄腫(以下骨髄腫)および類縁疾患の一覧をWHO分類に従って表1に示す.いずれも終末分化したB細胞の悪性腫瘍である.骨髄腫は,40歳以上の中高年者に多く,患者平均年齢は60代前半で男性にやや多く,造血器腫瘍の約15%を占める.わが国における人口10万人当たりの年間死亡率は約2人で,高齢化に伴い増加傾向にある.Osteosclerotic myelomaは,POEMS(polyneuropathy,organomegaly,endocrinopathy,M protein,and skin change)syndrome,Crow-Fukase syndrome,高月病ともいわれ,多発性神経炎・骨硬化・内分泌異常・剛毛症・皮膚色素沈着・浮腫を伴う.Plasma cellleukemia(形質細胞性白血病)は末梢血中の形質細胞絶対数が2,000/μl以上あるいは有核細胞の20%以上で定義され,初発時から形質細胞性白血病像を示すprimary plasma cell leukemiaと骨髄腫が進行した結果,形質細胞性白血病に至るsecondary plasma cell leukemiaに分類される.いずれも予後は極めて悪く前者では平均生存期間6か月程度である.これらに含まれないmonoclonal gammopathy of unknownsignificance(MGUS)という病態がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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