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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻11号

2002年10月発行

文献概要

特集 造血器腫瘍 Ⅲ 検査法の基礎知識

9.クロナリティの検査

著者: 安藤潔1 堀田知光1

所属機関: 1東海大学医学部血液・腫瘍・リウマチ内科

ページ範囲:P.1315 - P.1318

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クロナリティとは
 細胞が分裂してその子孫から形成される細胞集団をクローンという.われわれの体は両親の受精卵由来のクローンである.また近年話題になるクローンヒツジ,クローン人間などの言葉もヒツジあるいはヒトの単一体細胞から由来する動物個体のことを意味している.この場合の単一細胞由来とは,具体的には核移植により,由来する細胞と同一の遺伝情報をもっていることを指している.
 造血系では赤血球,顆粒球,単球,血小板は共通骨髄系前駆細胞,Bリンパ球,Tリンパ球は共通リンパ系前駆細胞から由来し,これらの前駆細胞はともに造血幹細胞に由来する.正常組織では幹細胞は多数存在するので造血組織全体は多クローン性を示している.一方,造血器腫瘍では単一細胞を起源としたクローン性の増殖を特徴とし,クロナリティを有する(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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