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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻11号

2002年10月発行

文献概要

特集 造血器腫瘍 Ⅲ 検査法の基礎知識

11.ウイルス―1) CMV

著者: 森毅彦1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部血液内科

ページ範囲:P.1333 - P.1335

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はじめに
 サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)は正常な免疫能をもつ宿主に感染した場合には多くの場合は無症候性に経過するが,一生涯,潜伏感染状態を維持する.わが国の成人の抗体保有率は,近年,低下傾向がみられてはいるものの,およそ90%である.これらの抗体陽性者が,後天性免疫不全症(AIDS)や造血幹細胞移植や固形臓器移植などにより高度な免疫不全状態となった場合にCMVは再活性化して各種感染症を発症する.感染症としては肺炎,腸炎,網膜炎,肝炎などがある.抗CMV作用をもつ薬剤としてはganciclovir, foscarnet, cidofovirなどがあるが,いったん発症すると重篤化し,特に肺炎ではしばしば致命的となる.また妊婦から胎児への感染による先天性CMV症は巨細胞封入体症として古くから知られており,重篤な合併症をきたす.本稿ではCMV感染症の診断法の基礎についてまとめ,各種検査法を臨床応用する際の問題点についても述べる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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