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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻11号

2002年10月発行

文献概要

特集 造血器腫瘍 ひとくちメモ

ヒト化抗IL-6レセプター抗体,MRA

著者: 中原英子1 吉崎和幸12

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科分子病態医学専攻生理病態学 2大阪大学健康体育部健康医学第一部門

ページ範囲:P.1485 - P.1486

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1.MRAの構造
 MRAは遺伝子組換え技術を用いてチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生させたヒト化抗インターロイキン(IL-6)レセプターモノクローナル抗体である.関節リウマチ(rheumatoid arthri-tis;RA)などの自己免疫疾患や多発性骨髄腫に対する治療薬として開発された.
 MRAは214個のアミノ酸残基からなるL鎖と449個のアミノ酸残基からなるH鎖がS-S結合によって結合したH2L2タイプのヒト化抗体であり,サブクラスはIgG1である.IL-6レセプターに対するマウスモノクローナル抗体(マウス抗IL-6レセプター抗体)の抗原認識に必須の相補性決定領域(Complementarity Determining Regions;CDR)の遺伝子のみを残しそれ以外の部分をヒト免疫グロブリン遺伝子と置換してヒト化された(図1).ヒト化抗体は,マウス抗体やマウス抗体のうち可変領域のみを残しそれ以外の部分をヒト免疫グロブリンに置き換えたマウス・ヒトのキメラ型抗体に比べヒトでの抗原性が低下し,MRAに対する抗イディオタイプ抗体の出現の可能性が減少したため反復投与が可能となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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