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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻11号

2002年10月発行

文献概要

特集 造血器腫瘍 ひとくちメモ

MGUS

著者: 戸川敦1

所属機関: 1国立甲府病院

ページ範囲:P.1487 - P.1488

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 MGUSはmonoclonal gammopathy of undeter-mined significance"意義不詳の単クローン性γグロブリン血(尿)症"の略語で,M蛋白がみられながら骨髄腫やマクログロブリン血症,アミロイドーシスあるいはその他の形質細胞増多症やリンパ増殖性疾患と診断のつかない病態をいう.Waldenströmのessential hyperglobulinemiaに始まってMGUSと同様の病態がbenign monoclonal gammopathyidiopathic-,asymptomatic-,cryptogenic-,lanthanic-,rudimentary-,nonmyelomatous-,discrete-と様々な名称でよばれてきた.
 1966年Kyleら1)は"Benign"monoclonal gam-mopathy;a potential malignant condition?の論文の中で18年後に骨髄腫に移行した症例を掲げ,benignの名に疑問符を付した.さらにKyle2)は1978年,平均5年間経過観察した241例のうち11%が骨髄腫およびその類縁疾患に移行したことを述べ,これらの病態の予後が必ずしも良くないこと,さらにM蛋白の出現の意義が明らかでないことからMGUSと命名した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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