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今月の表紙 電気泳動異常パターンの解析シリーズ・12
電気泳動によるCKアイソザイム分析Ⅱ―抗CK-M抗体を用いた免疫電気向流直接法による異常CKの判別
著者: 堀井康司1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
ページ範囲:P.1616 - P.1618
文献購入ページに移動 前回に続いて,CK(クレアチンキナーゼ)アイソザイムに関する話題である.前回述べたように,CKには通常認められるCK-MM,MB,BBの各アイソザイム以外に,マクロCKと呼ばれる異常な活性が出現する場合がある.マクロCKにはタイプⅠとタイプⅡの2種があり,前回はタイプIの本態であるCK-BBと自己の免疫グロブリンが結合した複合体の検出と同定法についてお話しした.今回は,タイプⅡの本態であるミトコンドリア由来のCK例をお示しするとともに,これらの異常CKと正常CKの鑑別法についてお話ししようと思う.というのは,図1に示すようにこれらマクロCKは通常のアイソザイムと易動度が重なる,あるいは近接している場合が多く,電気泳動のみでは鑑別が不可能だからである.また,CK-MBの近傍には非特異活性が認められることもあり,これとの鑑別も必要となる.
われわれが用いているのは電気泳動と免疫学的手法を組み合わせた免疫電気向流直接法と呼ばれる方法で,前回マクロCKタイプIの結合免疫グロブリンを同定するのに用いた方法である.前回使用したのは抗免疫グロブリン抗体であるが,今回使用する抗体はCKのMサブユニットに対する抗体,抗CK-Mである.これはCK-MBを自動分析で測定するのに用いられる抗体と同一のものであり,Mサブユニットと結合するとその活性を失わせる失活抗体である.この抗体はBBと反応しないが,MMは100%,MBは50%失活させる.
われわれが用いているのは電気泳動と免疫学的手法を組み合わせた免疫電気向流直接法と呼ばれる方法で,前回マクロCKタイプIの結合免疫グロブリンを同定するのに用いた方法である.前回使用したのは抗免疫グロブリン抗体であるが,今回使用する抗体はCKのMサブユニットに対する抗体,抗CK-Mである.これはCK-MBを自動分析で測定するのに用いられる抗体と同一のものであり,Mサブユニットと結合するとその活性を失わせる失活抗体である.この抗体はBBと反応しないが,MMは100%,MBは50%失活させる.
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