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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻13号

2002年12月発行

文献概要

今月の主題 臨床検査技師の教育 話題

生理機能検査の広がり

著者: 増田喜一1 片山善章2

所属機関: 1国立循環器病センター生理機能検査部 2国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.1675 - P.1680

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1.はじめに
 生理機能検査とは,各種診断機器により直接,生体から検査情報を抽出し解析,診断する検査法である.一般に,医師の診察(問診,打診,聴診,触診など)により得られた情報から患者の病状分析が行われ,ふるい分け検査としての臨床検査(検体検査および生理機能検査)が実施される.検体検査では患者の血液,尿などを材料として検査が行われるが,生理機能検査では生体からの信号(情報)が直接採取される.前者は血液,尿などの生化学的な分析から生体の病的状態の有無,およびその程度が数値で表示され診断に提供される.一方,後者は脳や心臓の電気的現象を波形として(脳波,心電図検査など),また各臓器の形状・性状を画像として描出し(超音波検査,サーモグラフィ検査など),解析・診断される検査法である.
 現在,臨床検査技師が法的に関わることが認められた生理機能検査は16項目ではあるが,実際にはそれ以上の検査を行つているのが実状である(表1)1).それらは①循環生理検査,②呼吸生理検査,③神経生理検査,それに④画像診断検査の4種に大別できる.そのなかでも超音波を用いた画像診断検査の発展はめざましいものがあり(別項に譲る),現在では臨床生理検査の中核をなしている.また一方では循環生理検査の分野では,最近の電子化に伴いデジタルHolter心電計の実用化が始まり,虚血性心疾患において精度の高い診断が期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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