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文献詳細

雑誌文献

臨床検査46巻6号

2002年06月発行

文献概要

今月の主題 細胞診自動化 話題

自動固定標本作製装置

著者: 飯島淳子1 椎名義雄1

所属機関: 1杏林大学保健学部細胞診断学教室

ページ範囲:P.655 - P.658

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1.はじめに
 細胞診標本作製は,精度向上のうえで最も重要な作業であるが,細胞採取法・塗抹固定の手技が統一されていないうえに,それが細胞検査士(CT)以外の医師・看護婦に委ねざるをえない現状がある.したがって,主に問題になるのはCT不在の病院や開業医から登録衛生検査所(検査所)に依頼される検体である.
 そのような検体には,穿刺材料や婦人科材料のように塗抹・固定されたものと,喀痰や尿のように生検体として送られるものがある.後者に関しては,近年種々の保存液が開発・販売され,より細胞変性の少ない検体が提供されるようになった.前者については本誌総説「米国における細胞診自動化」にも見られるように,主に米国においてはCytyc社とTriPath社が保存液中に採取した細胞(liquid-based検体)をそれぞれThinPrepまたはAutoCyte PREPといった自動標本作製装置にかけてmonolayer標本を作製し,固定前乾燥や観察の障害となる血液細胞が少ない標本が提供されるようになってきた.これら装置は細胞診で最も重要な部分を自動化することによって,安定した標準的な標本の提供を可能にし,近年穿刺吸引材料や尿に応用した報告が見られるようになった1~3).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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