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今月の主題 生体材料の取扱いと倫理 各論
2. 組織検体
著者: 井藤久雄1
所属機関: 1鳥取大学医学部器官病理学
ページ範囲:P.1507 - P.1512
文献購入ページに移動〔SUMMARY〕 組織検体は医療の精度管理のみならず,学術研究や医学教育において重要な役割を果たしている.近年,その利用に際しては,倫理的観点に関する配慮が求められており,それは,①インフォームド・コンセントの徹底,②自己決定権の担保,③個人情報やプライバシーの保護・管理,④患者やクライアントの人権や利益の尊重等に要約される.組織検体の利用に関しては各種の倫理指針に沿った手続きが必要であり,それにより学術研究・医学教育への展開が担保される.組織検体は公共の財産でもあり,病理医が責任をもって保管し,それを利用した教育・研究を展開して,その成果を社会に還元すべきである.〔臨床検査 47:1507-1512,2003〕
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