文献詳細
文献概要
シリーズ最新医学講座・Ⅰ 免疫機能検査・35
遺伝子治療と検査:SCID遺伝子治療を例として
著者: 久米晃啓1
所属機関: 1自治医科大学分子病態治療研究センター遺伝子治療研究部
ページ範囲:P.1545 - P.1551
文献購入ページに移動はじめに
近年,種々の疾患について遺伝子レベルでの病因解析が進み,DNA診断が可能になったものも多い.一部の疾患については,既にコマーシャルベースで遺伝子検査が行われている.一方,遺伝子工学的手法の治療への応用すなわち遺伝子治療については,大部分の臨床家や検査に携わる方々にとってはまだなじみが薄いであろう.そこで本稿では,まず遺伝子治療の基本的概念を紹介し,次いで典型的な対象疾患である重症複合免疫不全症(SCID)について,その診断に用いられる臨床検査と遺伝子治療の経過を略述する.さらに,この治療に起因する白血病発症を契機に認識されたベクター挿入部位のゲノム網羅的検索の必要性についても触れる.
近年,種々の疾患について遺伝子レベルでの病因解析が進み,DNA診断が可能になったものも多い.一部の疾患については,既にコマーシャルベースで遺伝子検査が行われている.一方,遺伝子工学的手法の治療への応用すなわち遺伝子治療については,大部分の臨床家や検査に携わる方々にとってはまだなじみが薄いであろう.そこで本稿では,まず遺伝子治療の基本的概念を紹介し,次いで典型的な対象疾患である重症複合免疫不全症(SCID)について,その診断に用いられる臨床検査と遺伝子治療の経過を略述する.さらに,この治療に起因する白血病発症を契機に認識されたベクター挿入部位のゲノム網羅的検索の必要性についても触れる.
掲載誌情報