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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻12号

2003年11月発行

文献概要

コーヒーブレイク

毒をもって毒を制す―亜砒酸の白血病に対する有効性―

著者: 寺田秀夫12

所属機関: 1聖路加国際病院内科 2昭和大学内科

ページ範囲:P.1570 - P.1570

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 これまで砒素化合物は毒物であり,かつ強力な発癌物質とされてきた.事実筆者も新潟県某町の三硫化砒素(塗装料の主剤)製造工場の排水による地下水の汚染のため,長年この地下水を飲用水として生活してきた一部住民に発生した慢性砒素中毒症の集団発生を調査した経験があり,最近でも第二次大戦中に旧日本軍が遺棄した毒ガスによる井戸水を飲んでいた茨城県神栖町の被害者住民の訴えが新聞誌上に掲載されている.また和歌山県のカレー事件は今も多くの人の記憶に残っているに違いない.

 このように砒素化合物は人体に対し有毒物質として知られてきた反面,漢方薬として一部の皮膚病,リウマチ,梅毒などで,また西洋医学で慢性骨髄性白血病や梅毒に対し過去に用いられてきた事実もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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