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コーヒーブレイク
NBMとEBM
著者: 寺田秀夫12
所属機関: 1聖路加国際病院内科 2昭和大学内科
ページ範囲:P.518 - P.518
文献購入ページに移動 最近,“narrative based medine(NBM)―物語の医療”という言葉が臨床の分野で注目されるようになった.今まで医療は患者集団を対象とした医学的データを定量的に解析した証拠(evidence)に基づいた医療(EBM)が最良のものとされ,わが国でも多くの臨床家の支持を受けてきた.
これに対しNBMはEBMとは一見相反する医療の思想であるが,漸くEBMで陥りやすい欠点,すなわちEBMでは従来の医学に深く根ざしてきた直感や非系統的な長年の臨床経験に基づく医療は無意味とする科学一辺倒の医学の考え方から,患者と医療人が親しく語り合って進めて行く医療(語らいの医療)(NBM)の大切さに気づき,回帰してきたように思う.
これに対しNBMはEBMとは一見相反する医療の思想であるが,漸くEBMで陥りやすい欠点,すなわちEBMでは従来の医学に深く根ざしてきた直感や非系統的な長年の臨床経験に基づく医療は無意味とする科学一辺倒の医学の考え方から,患者と医療人が親しく語り合って進めて行く医療(語らいの医療)(NBM)の大切さに気づき,回帰してきたように思う.
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