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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻7号

2003年07月発行

文献概要

今月の主題 補完・代替医療 話題

経穴(ツボ)の認識と国際化

著者: 山下仁1 津嘉山洋1

所属機関: 1筑波技術短期大学附属診療所

ページ範囲:P.773 - P.777

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1.経穴の定義

 「経穴(acupoint)」(ツボの正式な呼称)とは,経験的に治療効果が認められ,鍼灸の施術点として用いられてきた体表の一定部位のことである1).また,治療点だけでなく,疾病の反応点であり診断点でもあるとされている2).古代中国では,気血がめぐる通路として「経絡(meridian)」が全身にくまなく分布しているという概念が生まれ,時代ごとの思想と臨床経験の影響を受けながら発達した.経絡を大まかに分けると,気血交通の幹線であり臓腑にまといながら体表を縦に走る「経脈」,および経脈から枝分かれして気血を横に連絡させる「絡脈」がある.厳密には経脈上にあるツボを経穴と呼び,それ以外の部位にあるツボを奇穴,阿是穴,新穴などと分類しているが,日常的にはこれらをすべて含め総称として経穴と呼ぶことも多い.取穴(経穴の場所を決めること)は,それぞれの経穴について骨・筋・関節などを指標とした位置が教科書で決められているが,日本では教科書的な位置およびその周辺を触圧して緊張,圧痛,心地よさ,響き(独特な感覚が放散すること)などの反応を確認しながら決定することが多い.(図1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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