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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻7号

2003年07月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座・Ⅰ 免疫機能検査・33

アトピー性脊髄炎

著者: 小副川学1 吉良潤一1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院附属脳神経病研究施設神経内科

ページ範囲:P.797 - P.803

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はじめに

 アトピーとは,ダニやスギ花粉などの環境中に普遍的に存在する抗原に対して高immunoglobulin E(IgE)応答を呈する状態をいう.これら種々のアレルゲンに対するアトピーを基盤として,気管支喘息,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患を生じる.これまでアトピーに伴って脊髄炎が起こることを指摘した報告はなかったが,われわれは成人のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)患者で頚髄炎がみられることを明らかにした1).また脊髄炎において血清全IgEおよびアレルゲン特異的IgEが健常対照より有意に高値であることを見いだした.そこでわれわれはアトピーを基盤として脊髄に炎症を生じる病態があるのではないかと考え,アトピー性脊髄炎(atopic myelitis)との病名を提唱している1~3).本稿ではアトピー性疾患に伴い,発症する脊髄炎について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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