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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻7号

2003年07月発行

文献概要

研究

O型赤血球を利用したABO不適合同種骨髄移植後のレシピエント血清中ABH血液型物質の解析

著者: 岸野光司1 室井一男12 中木陽子1 永嶋貴博12 山本千鶴12 岩本禎彦3 小澤敬也12

所属機関: 1自治医科大学附属病院輸血・細胞移植部 2自治医科大学附属病院血液科 3自治医科大学法医学・人類遺伝学

ページ範囲:P.817 - P.821

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〔SUMMARY〕 ABO血液型不適合同種骨髄移植(BMT)を受け長期間(97~569日)経過した4例で,血清中ABH血液型物質の解析を行った.BMT後レシピエントの末梢血単核球のABO遺伝子型は,完全にドナー型に変換されることをpolymerase chain reaction with sequence specific primers(PCR-SSP)を用いて確認した.健常人のO型赤血球に,レシピエント血清中のABH血液型物質を吸着させた後,高感度の抗体吸着解離試験を用い血清中のAおよびB型物質の存在を測定した.BMT後,どの観察時点においてもレシピエント由来の血液型物質の存在が示唆された.BMT後においても,非血液細胞より分泌されるレシピエント由来のAまたはB型物質が血清中に存在し,これらの型物質がドナー由来の成熟赤血球表面に吸着する可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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