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文献詳細

雑誌文献

臨床検査47巻9号

2003年09月発行

文献概要

トピックス

細菌感染症とアポトーシス

著者: 斉藤麻理子1 大石和徳1

所属機関: 1長崎大学熱帯医学研究所感染症予防治療分野

ページ範囲:P.1039 - P.1041

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1.はじめに

 近年,アポトーシスが種々の細菌感染症,ウイルス感染症,寄生虫疾患において深くかかわっていることが明らかになってきた.

 アポトーシスの分子機構において(図1),各種の細胞調節因子はそれぞれに対応する受容体に結合するか,あるいは細胞内のシグナル伝達蛋白質を直接活性化することで,カスパーゼ(caspase:cysteinyl aspartic acid-proteinaseの略)を活性化する.一般に,カスパーゼは機能的に,最初に活性化されるcaspase-2,8,9,10,アポトーシスシグナルを増幅する役割をもつ実行caspase-3,6,7とサイトカインであるIL-1β,IL-18の活性化を誘導するcaspase-1,4に分けられる.活性化されたカスパーゼはエンドヌクレアーゼによる活性化により核DNAが切断され,核および細胞が断片化することによりアポトーシスに陥る.

 細菌感染症におけるアポトーシス誘導機構として,caspase-1,caspase-3依存的なアポトーシス誘導経路が知られている.本稿ではこれらの病態について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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