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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻12号

2004年11月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座・Ⅰ 転写因子・11

転写因子と糖尿病

著者: 小田夏奈江123 北野宏明234 村松正明1

所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所分子疫学 2特定非営利活動法人システム・バイオロジー研究機構 3慶應義塾大学大学院理工学研究科 4㈱ソニーコンピュータサイエンス研究所

ページ範囲:P.1553 - P.1564

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はじめに

 近年,食生活の欧米化と社会環境の変化に伴い,わが国においても糖尿病が年々増加の一途をたどっている.厚生労働省の糖尿病実態調査(2002年11月実施)によると,「糖尿病が強く疑われる人(糖尿病治療中またはHbA1c 6.1%以上)」が約740万人,「糖尿病の可能性を否定できない人(HbA1c5.6%以上6.1%未満)」が約880万人にものぼり,合計で約1,620万人,まさに国民の8人に1人は糖尿病または糖尿病予備軍ということになる.

 また,久山町Study,舟形町Studyなどの大規模な疫学調査の結果,わが国における死亡原因の第1位を占める心血管疾患の大きな危険因子として,糖尿病が挙げられている.

 このような状況のなか,最近の遺伝学的手法や発生工学的手法の進歩により,次々と疾患に関連する遺伝子が同定されてきており,糖尿病においても例外ではない.本稿では,糖尿病関連遺伝子のなかでも特に転写因子に焦点を当て概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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