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caspase-9とALS

著者: 井上治久1 高橋良輔2

所属機関: 1ハーバード大学医学部附属マクリーン病院神経再生研究室 2理化学研究所脳科学総合研究センター運動系神経変性研究チーム

ページ範囲:P.1577 - P.1580

 1. はじめに

 近年,アポトーシスが,種々の神経変性疾患に深くかかわっていることが明らかになってきている.なかでも脊髄運動ニューロンが障害される筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis;ALS)1)の研究においては,1993年家族性ALSの遺伝子が同定され2),翌年モデルマウスが作製3)されて以降,飛躍的にアポトーシスとの関連を支持する知見が累積しつつある.また,最近ではALSにおける異常蛋白質とミトコンドリアの関連が注目されている.

 本稿では,ALS研究の最近のトピックを,アポトーシス実行分子であるcaspaseと呼ばれる蛋白質分解酵素のうち,ミトコンドリア依存性アポトーシスのカスケードの最上流に位置するcaspase-9に焦点を当てて述べる.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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