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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻7号

2004年07月発行

文献概要

今月の主題 ドーピング・スポーツ薬物検査 話題

競走馬におけるドーピングの現状と検査法

著者: 大竹爲久尚1

所属機関: 1財団法人競走馬理化学研究所 2AORC Fellow

ページ範囲:P.789 - P.794

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 1.はじめに1~3)

 競走馬はレースで馬の本来の能力に反し,馬に利益を与えるまたは不利益を被らせる可能性のある物質の使用を取り締まることを通じ,競馬の公正を確保する目的でドーピングを禁止している.すなわち,競馬の世界では馬券の発売などの多額な賭金が動くため,ドーピングを規制するための戦いの歴史はスポーツ選手より遥かに古く,1910年ごろから開始された.日本においても,わが国の競馬法で,レースに出走する競走馬に「その馬の競走能力を一時的に高めまたは減ずる薬物を使用する」こと(doping)が禁止されている.このためにレース直後の馬から検査材料として尿または血液を採取して,禁止薬物の検査を行っている.ヒトのスポーツにおけるドーピングは競技能力を高めるための薬物使用をいうが,競走馬におけるドーピングは競走能力を高めるばかりでなく減じる薬物すなわち運動能力に影響を及ぼすすべての薬物が対象となっている.本稿では,競走馬におけるドーピングの歴史,検査法と最近の問題点などについて整理した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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