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シリーズ最新医学講座・Ⅱ 病理診断に役立つ分子病理学・7
造血器腫瘍
著者: 田丸淳一1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター病理部
ページ範囲:P.807 - P.814
文献購入ページに移動はじめに
造血細胞は骨髄で生まれ,各々が特徴的機能を有する細胞に分化する.リンパ球においては末梢リンパ組織や胸腺もその分化にかかわる重要な組織・臓器である.これら造血細胞の腫瘍は白血病および悪性リンパ腫に大別される.リンパ球の腫瘍化を考えた場合,細胞の誕生の場である骨髄での腫瘍化は白血病を呈し,分化して末梢のリンパ組織にて腫瘍化したものがリンパ腫であると理解されよう.すなわち,リンパ球性の白血病とリンパ腫の腫瘍細胞を比較すると,一般的には,より分化した細胞の腫瘍化がリンパ腫であるといえよう.骨髄造血細胞には,多能性幹細胞が存在し,これが単能性幹細胞,すなわち白血球(好中球,好酸球,好塩基球,リンパ球,単球),赤血球,血小板へと分化の方向性が決定付けられた細胞へと分化すると考えられている(図1)1).頻度の差はあるが造血細胞それぞれの腫瘍化が認められている.さらに,これら造血細胞が混在性に増殖する腫瘍もあり,これらの細胞の大元である幹細胞の腫瘍化と考えられるのである.
造血細胞は骨髄で生まれ,各々が特徴的機能を有する細胞に分化する.リンパ球においては末梢リンパ組織や胸腺もその分化にかかわる重要な組織・臓器である.これら造血細胞の腫瘍は白血病および悪性リンパ腫に大別される.リンパ球の腫瘍化を考えた場合,細胞の誕生の場である骨髄での腫瘍化は白血病を呈し,分化して末梢のリンパ組織にて腫瘍化したものがリンパ腫であると理解されよう.すなわち,リンパ球性の白血病とリンパ腫の腫瘍細胞を比較すると,一般的には,より分化した細胞の腫瘍化がリンパ腫であるといえよう.骨髄造血細胞には,多能性幹細胞が存在し,これが単能性幹細胞,すなわち白血球(好中球,好酸球,好塩基球,リンパ球,単球),赤血球,血小板へと分化の方向性が決定付けられた細胞へと分化すると考えられている(図1)1).頻度の差はあるが造血細胞それぞれの腫瘍化が認められている.さらに,これら造血細胞が混在性に増殖する腫瘍もあり,これらの細胞の大元である幹細胞の腫瘍化と考えられるのである.
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