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文献詳細

雑誌文献

臨床検査48巻8号

2004年08月発行

文献概要

学会だより 第53回日本医学検査学会

Information Technology (IT)

著者: 岡本恵助1

所属機関: 1紀南病院組合立紀南病院検査科

ページ範囲:P.922 - P.923

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 第53回日本医学検査学会は2004年5月15日(木)のイブニングセミナーを皮切りに,16日(金),17日(土)の2日間開催されました.富山での学会は2回目で,1回目は1996年9月21日(土),22日(日)開催の第35回中部臨床衛生検査学会でした.場所は富山県民会館で行われ,地方学会でもあり演題数107と少なく,発表する時も聴衆が少なかったように思います.今回は,全国学会でもあり演題数は616と多くの発表者が富山に集まったことになります.この数は,昨年埼玉県で行われた第52回日本医学検査学会の演題数556を上回るものでした.富山県の会員数が530名と少ないにもかかわらず,学会長をはじめ実行委員の方々の,準備の賜物だと思います.

 本学会のメインテーマは「変貌する医学への貢献」であり,サブテーマが「Information Technology」とこれからの時代にふさわしいものでした.インターネットを中心とした情報化社会は情報地域格差を大きく縮小させており,2会場を結んで行われた形態検査分野の症例検討,R-CPCの技術は病院間レベルを縮小する可能性があり大いに期待したいところです.病院内においてもLANを介した電子カルテ導入が増えてきており,検査室レベルにおいても容易に患者情報を入手することが可能になってきています.従来,検査機器のメンテナンス,精度管理は十分に行われてきていると思われます.しかし,医療情報入手が困難であれば,言い過ぎかと思いますが検査結果は「ある方法で行った,その時の値」であるだけになってしまいがちで,その検査結果の背景が見えませんでした.検査室にいながら今までにない精度管理,検査の重要性の認識,新たな情報発信による医療支援が可能になると思われます.研究分野においても,今まではカルテ庫より1冊ずつ引き出しては情報を手に入れていたものが容易に入手できることから,かなりの時間節約が可能になると考えます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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