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腎性尿崩症
著者: 五十嵐隆1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科小児医学講座
ページ範囲:P.97 - P.99
文献購入ページに移動1.はじめに
腎は必要に応じて尿を濃縮する.腎における尿濃縮の機序が障害された結果,血漿浸透圧よりも低い浸透圧の尿を大量に排泄する状態を腎性尿崩症という.尿の濃縮には,Henleのループ上行脚でのNa,Clの再吸収(対向流増幅系),髄質部の血漿流量や尿素のリサイクリング,バソプレッシン(AVP)の脳下垂体後葉からの分泌と集合管での水チャンネル動員などの機序が関与している.すなわち,髄質の浸透圧濃度を高めることとAVPによる集合管での水チャネルの作動の2つの条件が必要である.特にAVPは尿濃縮の律速因子として最も重要である.
腎は必要に応じて尿を濃縮する.腎における尿濃縮の機序が障害された結果,血漿浸透圧よりも低い浸透圧の尿を大量に排泄する状態を腎性尿崩症という.尿の濃縮には,Henleのループ上行脚でのNa,Clの再吸収(対向流増幅系),髄質部の血漿流量や尿素のリサイクリング,バソプレッシン(AVP)の脳下垂体後葉からの分泌と集合管での水チャンネル動員などの機序が関与している.すなわち,髄質の浸透圧濃度を高めることとAVPによる集合管での水チャネルの作動の2つの条件が必要である.特にAVPは尿濃縮の律速因子として最も重要である.
参考文献
1)MorelloJP,BichetDG:Nephrogenic diabetes. Annu Rev Physiol 63:607-630, 2001
2) Birnbaumer M, Seibold A, Gilbert S, et al:Molecular cloning of the receptor for human antidiuretic hormone. Nature 357:333-335, 1992
3) Deen PMT, Verdddijk MAJ, Knoers NVAM, et al:Requirement of human renal water channel aquaporin-2 for vasopressin-dependent concentration of urine. Science 264:92-95, 1994
4) Kuwahara M, Iwai K, Ooeda T, et al:Three families with autosomal dominant nephrogenic diabetes insipidus caused by aquaporin-2 mutations in the C-terminus. Am J Human Genetics 69:738-748, 2001
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