icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻5号

2005年05月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座 臨床現場における薬毒物検査の実際・3

迅速検査法(アジ化物,界面活性剤)―中毒学会提言15項目以外の薬毒物検査

著者: 福田篤久1 石田浩美1 久保田芽里1 小島義忠1

所属機関: 1大阪府立泉州救命救急センター検査室

ページ範囲:P.568 - P.577

文献購入ページに移動
はじめに

 ここでは,前回説明のあった1999年に日本中毒学会分析のあり方検討委員会が,各医療機関に分析を推進した15項目1)以外の分析項目を解説する.現在,当検査室では分析のあり方検討委員会の提言15項目を含む29項目の薬毒物分析が可能であるが2)(表1),ここでは,表1―右列の中より界面活性剤とアジ化ナトリウムの分析方法を可能な限りわかりやすく述べることにする.

参考文献

1) 吉岡敏治,郡山一明,植木真琴,他:薬毒物分析の指針に関する提言.中毒研究 12:437-441, 1999
2) 福田篤久,石田浩美,久保田芽里,他:救急医療現場に直結する薬毒物測定の充実をめざして―何を測定すればいいのか?.臨床病理 53:26-33, 2005
3) 福田篤久,石田浩美,久保田芽里,他:「救命救急センターと臨床検査」救命救急センターにおける臨床検査―迅速報告を目指した裏技.Medical Technology 4:417-421, 2002
4) 福田篤久,石田浩美,久保田芽里,他:救急医療における技師による臨床支援―迅速な報告をするために何をするべきか.医療と検査機器・試薬 25:388-393, 2002
5) 福田篤久,石田浩美,久保田芽里,他:薬毒物混入事件と病院検査室―迅速簡便な薬毒物定性試験の重要性.大阪救急 60:53-54, 1999
6) 福田篤久,石田浩美,久保田芽里,他:臨床検査室で行う毒物定性試験.Medical Technology 2:127-132, 1999
7) 内藤裕史:界面活性剤.中毒百科―事例・病態・治療,南江堂,pp71-74, 1996
8) 大橋教良:洗剤・シャンプー.●財日本中毒情報センター編(改訂版).症例で学ぶ中毒事故とその対策,じほう,pp44-46, 2000
9) 西玲子,福永栄子,江村せい子,他:界面活性剤.薬・毒物中毒救急マニュアル 改訂5版(西勝英監),医薬ジャーナル社,pp203-204, 1994
10) 山口佐知子,伊藤美香,長屋和恵,他:家庭用品.急性中毒情報ファイル 第3版(吉村正一郎,早田道治,山崎 太,他 編著),廣川書店,pp221-315, 1998
11) 小島義忠,石田浩美,久保田芽里,他:薬毒物分析機器非配備施設における薬毒物検査への取り組みについて―界面活性剤簡易定性試験の検討を中心に.中毒研究 16:43-49, 2003
12) 広島大学医学部法医学講座:界面活性剤.薬毒物の簡易検査法.呈色反応を中心として,じほう,pp38-42, 2001
13) 内藤裕史:アジド(アジ化物).中毒百科―事例・病態・治療,南江堂,pp18-19, 1996
14) 寺田賢:アジ化ナトリウム.日本臨牀 57:497-500, 1999
15) Gosserin MN:Clinical Toxicology of Commercial Products. 5th ed. Williams&Wilkins, Baltimore, 1984
16) Richardson SGN:Two cases of sodium azide poisoning by accidental ingestion of Isoton. J Clin Pasol 28:350-351, 1975
17) 広島大学医学部法医学講座:アジ化物.薬毒物の簡易検査法.呈色反応を中心として,じほう,pp31-32, 2001
18) Matthew JE, Donald GD:Medical Toxicology (2nd edition). Elsevier, Rotterdam, 1997
19) Kozlicka-Gajdzinska H, Brzyski J:A case of fatal intoxication with sodium azide. Arch Toxikol 22:160-163, 1966
20) Klung E, Schneider V:Suizid mit Natriumazide. Z Rechtsmed 98:129-132, 1987
21) 当麻美樹,田伏久之,塩野茂:いかに情報を入手し,検体検査を依頼するか.Medical Practice 9:1489-1493, 2000
22) 千代孝夫:症状からみた中毒―中毒を見逃さないコツとポイント.中毒を疑う特異症状と所見.Medical Practice 9:1517-1522, 2000
23) 和田攻:どんなときに中毒を疑い,どのように対処するか.Medical Practice 9:1446-1456, 2000
24) Namera A, Utsumi Y, Yashiki M, et al:Direct colorimetric method for determination of organophosphates in human urine. Clinica Chimica Acta 291:9-18, 2000
25) 福田篤久,石田浩美,久保田芽里,他:呼気ガスを用いた一酸化炭素測定の試み―ToxCOの基礎的性能試験とPOCTへの新たな可能性について.近代消防 524(12):68-72, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?