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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻6号

2005年06月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座 臨床現場における薬毒物検査の実際・4

確認分析・総論

著者: 福家千昭1

所属機関: 1琉球大学医学部法医学分野

ページ範囲:P.671 - P.677

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機器分析による確認ってなぜ必要なんですか?

 例を示して説明することにします.薬毒物中毒の疑いで意識レベルが低下した患者さんが搬送されてきました.救急医より薬毒物分析の依頼があり,血清,尿,胃洗浄液が送られてきました.薬毒物検索のために各種迅速検査を行ったところ,TriageでTAC(三環系抗うつ薬)が陽性という結果を得ました.この患者さんは三環系抗うつ薬の何を飲んだのだろうか? その血液中濃度はどれくらいだろうか? 結果が臨床症状と一致するのだろうか? さらに詳細な情報を得るために分析機器を使って確認しよう.ということになるわけです(図1).

 一般に,簡易検査法や迅速検査法により得られた結果は,その化合物や化合物群が含まれている可能性があるということを示しています.治療目的で医師の指示通り服用していても陽性となることもあります.

参考文献

1) 福井巳芳,熊岡熙:裁判化学,廣川書店,pp19-45,1979
2) 久保博昭:生体試料の扱いかた(下).月刊薬事 26:801-806,1984
3) 日本分析化学会関東支部編:高速液体クロマトグラフィーハンドブック改訂2版.丸善,pp233-255,2002
4) 井藤一良:薄層,ペーパー,カラムクロマトグラフ法.機器分析のてびき 第2版(監修代表 芝哲夫),化学同人,pp61-79,1996
5) 奈女良昭,屋敷幹雄:抽出法.薬毒物分析実践ハンドブック(鈴木修,屋敷幹雄),じほう,pp22-28,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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