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文献詳細

雑誌文献

臨床検査49巻6号

2005年06月発行

文献概要

研究

HCV抗体陽性検体におけるHCVコア抗原測定法の有用性

著者: 太田和秀一1 浦田兼司1 緑川清江1 原田哲史1 田上高徳1 長谷川達朗2

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構東京病院臨床検査科 2国立国際医療センター臨床検査部

ページ範囲:P.679 - P.685

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〔SUMMARY〕 HCVに感染しているか否かの診断方法は,最初にHCV抗体スクリーニングを実施する.HCV抗体陽性の場合,追加試験としてHCV核酸増幅検査などでウイルスの有無を確認する方法が今までの流れであった.2003年3月に新たな方法として,高感度HCVコア抗原測定法が開発上市され,同年の老人保健事業検診の肝炎ウイルス等実施要領にHCV抗体陽性者に対してHCVコア抗原測定法が導入され,肝炎ウイルス等実施要領のフローチャートも新しく改訂された.

 本稿では,病院のルチン検査においても同フローチャートを用いることが実行可能か否かを検証し,実行可能と考えられたのでその有用性について報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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