研究
副腎皮質予備能検査について(2)—ACTH-Z test
著者:
武内和之1
渡辺富久子1
田中冨美子1
上田昭栄1
所属機関:
1大阪大学医学部附属病院中央臨床検査科
ページ範囲:P.725 - P.728
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下垂体副腎系の機能検査法は近年特に注目され,尿中・血中の副腎皮質ホルモンの測定法も進歩し,各検査室においてこれらの測定が実施されているが,副腎皮質機能検査としては,分泌量と同時に向腺ホルモン,すなわちACTHによる副腎の予備能を検索することが最も重要であり,前回でも述べたようにThorn's testは短時間において簡単に実施できる検査法として,その価値が認められている。しかし,ACTH25単位1回筋注のみでは充分に副腎が賦活されない場合があること,さらに好酸球数は前回に述べたごとく日によってその変動も左右される。実際尿中あるいは血中17-OHCSの消長と好酸球数変動は平行しない場合も多い。そこでさらに詳細に副腎皮質の予備能を判定するためにACTH反覆筋注法1),ACTH点滴静注法2)または持続性製剤を用いる方法3)4)が提唱されている。持続性製剤としてはACTH-GelまたはACTH-Z5)8)があげられる。
私どもはACTH-Z 20単位を投与し,その後の好酸球数変動にあわせて,血中ならびに尿中17-OHCS値の変動を経時的に追求し,日常検査として比較的容易に実施しうるACTH-Z 20単位1回筋注法を確立したので,それを紹介するとともに諸家の御批判を仰ぎたいと思う。