文献詳細
文献概要
シリーズ最新医学講座・Ⅱ 耐性菌の基礎と臨床・9 主として市中感染で問題となる耐性菌・3
結核菌(非定型抗酸菌も含む)/基礎編
著者: 竹下啓1
所属機関: 1北里研究所病院内科・呼吸器科
ページ範囲:P.1191 - P.1195
文献購入ページに移動はじめに
結核は,Kochが1882年に発見した結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を起炎菌とする慢性感染症である.1945年には,わが国の人口10万人あたり237人が結核で死亡していたと推定されているが,その後公衆衛生の向上,抗結核薬の開発により,結核による死亡率は低下した1).しかし,2005年においても30,000人近くの新患者が発生し,約2,300人が死亡しており,結核は今なお重要な感染症であることに変わりはない.
結核の診断には,形態学,細菌学,さらには分子生物学などの様々な手法による検査が用いられており,結核の検査を理解することが結核菌そのものを理解することに通じる.そこで本稿では,結核菌の細菌学的特徴について触れた後,結核の検査診断について概説する.
結核は,Kochが1882年に発見した結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を起炎菌とする慢性感染症である.1945年には,わが国の人口10万人あたり237人が結核で死亡していたと推定されているが,その後公衆衛生の向上,抗結核薬の開発により,結核による死亡率は低下した1).しかし,2005年においても30,000人近くの新患者が発生し,約2,300人が死亡しており,結核は今なお重要な感染症であることに変わりはない.
結核の診断には,形態学,細菌学,さらには分子生物学などの様々な手法による検査が用いられており,結核の検査を理解することが結核菌そのものを理解することに通じる.そこで本稿では,結核菌の細菌学的特徴について触れた後,結核の検査診断について概説する.
参考文献
1) 森亨:結核流行の変遷と問題点.日内会誌 89:834-840, 2000
2) Small PM, Fujiwara PI:Management of tuberculosis in the United States. N Engl J Med 345:189-200, 2001
3) Fernando SL, Britton WJ:Genetic susceptibility to mycobaterial disease in humans. Immunol Cell Biol 84:125-137, 2006
4) 日本結核病学会予防委員会:クオンティフェロン2Gの使用指針.結核 81:393-397, 2006
5) 米丸亨,加藤康子,豊田丈夫,他:臨床検査へのMGIT法導入による抗酸菌培養陽性率および培養陽性患者数の増加.日呼吸会誌 40:350-354, 2002
6) 御手洗聡:2002年度療研結核菌薬剤耐性全国調査(1).結核 80:288, 2005
7) Hirano K, Abe C, Takahashi M:Mutations in the rpoB gene of rifampin-resistant Mycobacterium tuberculosis strains isolated mostly in Asian countries and their rapid detection by line probe assay. J Clin Microbiol 17:36-44, 1999
8) 阿部千代治:遺伝子診断法の現状と将来.日呼吸会誌 42:475-480, 2004
9) 大野英明,河野茂:結核菌検査の読み方.日内会誌 89:855-861, 2000
10) Maekura R, Okuda Y, Nakagawa M, et al:Clinical evaluation of anti-tuberculous glycolipid immunoglobulin G antibody assay for rapid serodiagnosis of tuberculosis. J Clin Microbiol 39:3603-3608, 2001
11) Chan ED, Reves R, Belisle JT, et al:Diagnosis of tuberculosis by a visually detectable immunoassay for lipoarabinomannnan. Am J Respir Crit Care Med 161:1713-1719, 2000
掲載誌情報