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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻10号

2006年10月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座・Ⅱ 耐性菌の基礎と臨床・9 主として市中感染で問題となる耐性菌・3

結核菌(非定型抗酸菌も含む)/臨床編

著者: 鈴木幸男1

所属機関: 1北里研究所病院呼吸器科

ページ範囲:P.1196 - P.1200

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はじめに

 かつて「国民病」と恐れられたわが国の結核の状況は,1951年に結核予防法が改正されて公費負担制度が確立したこと,および生活環境の改善や医療の進歩などにより,著しく改善されてきた.しかし,1997年には新登録患者数および罹患率が増加に転じ,さらに高齢者における結核の増加,結核集団感染の多発,多剤耐性結核などの諸問題が噴出したことより,1999年「結核緊急事態」が宣言された.その後,新登録患者数および罹患率は再び低下しているものの鈍化傾向にある.わが国の人口構成は少子高齢化にいっそうの拍車がかかり,かつ高齢になるほど結核罹患率は上昇することより,今後は高齢者を中心とした結核対策がますます重要になってきている.以下,耐性結核菌の治療を中心に述べる.

参考文献

 1) Abe C, Hirano K, Wada M, et al:Resistance of Mycobacterium tuberculosis to four first-line anti-tuberculosis drugs in Japan, 1997. Int J Tuberc Lung Dis 5:46-56, 2001
 2) 結核医療の基準.厚生労働省告示第238号.平成16年6月8日
 3) 日本結核病学会治療委員会:「結核医療の基準」の見直し-第2報.結核 78:497-499, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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