icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻10号

2006年10月発行

文献概要

資料

ELISA法とリアルタイムRT-PCR法によるノロウイルス検出法の比較検討

著者: 山上隆也1

所属機関: 1山梨県衛生公害研究所

ページ範囲:P.1201 - P.1203

文献購入ページに移動
 ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay)法とリアルタイムRT-PCR(reverse transcription polymerase chain reaction)法とでノロウイルスの検出結果を比較した.両法の一致率は72.9%であり,不一致例はELISA法とリアルタイムRT-PCR法とで型特異性と検出感度が異なることが要因と考えられた.さらに,ELISA法では偽陽性例もみられ,ELISA法のみでの病原診断には注意が必要と思われた.しかし,ELISA法はその簡便,迅速性からノロウイルス感染の診断補助を目的としたスクリーニング検査法として有用であると考えられた.

参考文献

 1) Jiang X, Wang M, Graham DY, et al:Expression, self-assembly, and antigenicity of the Norwalk virus capsid protein. J Virol 66:6527-6521, 1992
 2) Kitamoto N, Tanaka T, Natori K, et al:Cross-reactivity among several recombinant calicivirus virus-like particles (VLPs) with monoclonal antibodies obtained from mice immunized orally with one type of VLP. J Clin Microbiol 40:2459-2465, 2002
 3) 山上隆也,浅川洋美,大石陽子:EIA法によるノーウォークウイルス検出キットの評価.臨床微生物迅速診断研究会誌 13:15-18, 2002
 4) 内野清子,岩上泰雄,田中智之:モノクローナル抗体による免疫学的検出法.日本臨床 60:1188-1193, 2002
 5) 田中智之,岩上泰雄,内野清子,他:ノロウイルス抗原検出ELISAキットの評価.医学と薬学 50:709-714, 2003
 6) 国立感染症研究所ウイルス第2部:リアルタイムPCRを用いたノロウイルスRNAの定量的検出法.ウイルス性下痢症診断マニュアル(第3版),pp63-66, 2003
 7) Kageyama T, Kojima S, Shinohara M, et al:Broadly reactive and highly sensitive assay for Norwalk-like viruses based on real-time quantitative reverse transcription-PCR. J Clin Microbiol 41:1548-1557, 2003
 8) 染谷雄一,名取克郎,武田直和,他:ヒトカリシウイルスの多様性.臨床とウイルス 27:294-303, 1999
 9) 名取克郎:組換え抗原を用いた血清診断.日本臨床 60:1194-1201, 2002
 10) 杉枝正明,新川奈緒美,大瀬戸光明,他:Norovirus感染により排泄されるウイルス量について.臨床とウイルス 32:189-194, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?