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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻11号

2006年11月発行

文献概要

今月の主題 海外旅行と臨床検査 総説

海外旅行前,旅行中,旅行後検査

著者: 溝尾朗1

所属機関: 1東京厚生年金病院内科

ページ範囲:P.1217 - P.1222

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 旅行医学を含め臨床診断では,病歴聴取で見当をつけた後,診察所見により絞り込み,最後に検査計画を立てるという流れがある.このなかで病歴の聴取が最も重要であるが,検査計画が杜撰では問題が解決しないことも多い1).検査技師の立場からも,検査の目的が不明なときや渡航先の情報が不足している場合,必要十分な検査ができないと聞く.限られた時間のなかで効率的に診断するためには,過不足ない問診と診察から検査計画を立て,医療従事者間において情報を共有することが求められる.一方,旅行医学のなかでは予防医学も重要なテーマであり,旅行前の検診や留学前の抗体検査,持病を抱える旅行者の適応検査などの一次予防や健康増進を目的とする旅行医学も存在する.本稿では,筆者が担当している旅行医学外来からの実例を紹介して,旅行医学における検査計画と予防医学の重要性について述べてみたい.〔臨床検査 50:1217-1222,2006〕

参考文献

 1) Keystones JS, Kozarsky PE, Freedman DO, et al:Travel Medicine, Mosby, St. Louis, 2003
 2) 外務省:2005年(平成17年)海外邦人援護統計
 3) 大利昌久:海外旅行の医学知識(5)緊急医療をめぐって.薬の知識 53:1-13, 2002
 4) Taylor DN, Houston R, Shlim DR, et al:Etiology of diarrhea among travelers and foreign residents in Nepal. JAMA 260:1245-1248, 1988
 5) 篠原規:海外旅行医学ハンドブック,山と渓谷社,2003
 6) Stauffer WM:CLINICS IN FAMILY PRACTICE Travel Medicine, SAUNDERS, 2005
 7) 石原義恕,斉藤幾久次郎,小笠原倫大,他:RA治療としての温泉療法の再考.リウマチ 41:323, 2001
 8) 阿岸祐幸,中谷純:入浴と入浴環境の心理感覚的効果.銭湯における温熱効果の予防医学的意義に関する研究,平成15年度厚生労働科学研究,pp74-92, 2004
 9) Horsburgh CR:Healing by design. N Engl J Med 333:735-740, 1995
 10) Manson JE, Greenland P, LaCroix AZ, et al:A prospective study of walking as compared with vigorous exercise in the prevention of coronary heart disease in women. N Engl J Med 341:650-658, 1998
 11) Morris JN, Hardman AE:Walking to health. Sports Med 23:306-322, 1997
 12) 溝尾朗:海外旅行に備える-飛行機に乗れるか,持病を持つ人の機内医学.メディカル朝日 34 7月号:60-61, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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