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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻11号

2006年11月発行

文献概要

今月の主題 海外旅行と臨床検査 話題

成田空港におけるいわゆるエコノミークラス症候群の現状

著者: 牧野俊郎1

所属機関: 1日本医科大学成田国際空港クリニック

ページ範囲:P.1277 - P.1280

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1.はじめに

 日本医科大学成田国際空港クリニック(空港クリニック)は,1992年(平成4年)12月開設以来,まもなく14年を迎える.同空港第2旅客ターミナル(空港第2ビル)地下1階に設置されている.当空港クリニックは空港利用客にあわせ,年中無休,24時間体制で運営されている.

 成田国際空港(成田空港)は,2004年4月に民営化され,新東京国際空港から現在の名称に改められた.

 当空港クリニックでの,これまで13年4か月の症例総数は200,274例で,うち救急症例は6,524例(3.3%),いわゆるエコノミークラス症候群(so-called economy class syndrome;S-ECS,ロングフライト血栓症;long flight thrombosis,旅行者血栓症;traveler's thrombosis)は108例(0.05%)だった.

 本稿では,当空港クリニックで経験した救急症例およびS-ECSを中心に報告する.

参考文献

 1) Eklof B, Kisther LR, Masuda ME:Venous thromboembolism in association with prolonged air travel. Dermatol Surg 22:637-641, 1996
 2) 牧野俊郎:成田空港にみる旅行者血栓症いわゆるエコノミークラス症候群の実態.Medical ASAHI Feb.:29-31, 2002.
 3) 牧野俊郎:エコノミークラス症候群-肺血栓塞栓症.図説 血栓・止血・血管学 血栓症制圧のために(一瀬白帝編著),中外医学社,pp109-118, 2005
 4) Lapostolle F, Surget V, Borron WS:Severe pulmonary embolism associated with travel. N Engl J Med 345:779-783, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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