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文献詳細

雑誌文献

臨床検査50巻11号

2006年11月発行

文献概要

今月の表紙 細胞診:感染と細胞所見・11

虫卵

著者: 市川美雄1 海野みちる1 坂本穆彦2

所属機関: 1杏林大学医学部附属病院病院病理部 2杏林大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1212 - P.1214

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 寄生虫感染は,一般的に先進国に少なく,発展途上国に多くみられる.わが国でも,経済発展・農業形態の変化・上下水道の整備・医療と衛生の情報浸透などにより寄生虫症は減少している.しかし,近年では,海外での感染・海外の寄生虫感染者の入国による感染源の増加・輸入生鮮食品の増加による感染・グルメ嗜好による魚や肉の生食による感染・ペットブームによる動物の寄生虫による感染など,従来とは異なった感染経路がみられるようになった.

 寄生虫感染の検査としては,塗抹標本による虫体や虫卵の検出・免疫学的診断・DNA診断などが挙げられ,なかでも虫卵検出は蠕虫感染に際し,診断を確定するうえで重要である.

参考文献

 1) 吉田幸雄,有薗直樹:図説 人体寄生虫学 第7版,南山堂,p4,p277,pp280-283, 2006
 2) 有村保次,芦屋淳一,福山税,他:気管支狭窄をきたし,擦過細胞診により虫卵を証明したウエステルマン肺吸虫症の1例.気管支学 25:27-31, 2003
 3) 安原裕美子,蔦幸治,西山利正,他:成人T細胞性白血病の化学療法中に播種性糞線虫症となった1剖検例.診断病理 19:272-274, 2002
 4) 根本則道,大井富士郎,長田宏己,他:胆管癌を合併した肝吸虫症の1例.日本臨床細胞学会雑誌 28:957-962, 1989
 5) 高橋優三:基本人体寄生虫学 第3版,医歯薬出版,p100, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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